山口ヒロミ銅版画展「不思議の天音」、開催中です
山口ヒロミ銅版画展「不思議の天音」
開館日:
2016年2月9日より4月14日までの火〜木曜日11時-16時
(月・金曜日についてはFrauenkreiseにお問い合わせ下さい)
会場: Frauenkreise, Choriner Str.10, 10119 Berlin-Mitte
大阪在住の山口ヒロミさんは重症の障害を持って生まれて来た娘の天音さんを自宅で介護する傍ら、創作を始めました。作品は不思議な力に満ちています。短い生涯を終えた天音さんからのメッセージが静かに、時には激しく伝わってきます。
<山口ヒロミさんからのご挨拶>
私の娘・天音は重い障害を持ち、生きるすべてを親に委ねなければならないほどでした。
しかし、彼女の瞳は生きる意欲に満ちてキラキラ輝いていました。
いち度も使われることのなかった手足は、葡萄の木のように曲がり、ねじれていたけれど、そのカタチの美しかったこと。
その美しさが、私に絵を描かせた原点です。
2000年、19才で天音は逝ってしまいましたが、彼女の生きる意欲や美しさはいまだに私の胸に溢れ、いくら描いても描ききれません。
固い銅を刻むという、きびしい技法の銅版画に出会ったことも、行き難い命を生きた天音を描くのにぴったりだと思え、銅版画は私を引きつけてやみません。
絵の中で成長し続ける天音が、たくさんの人に出会えることを願っています。
<山口ヒロミ プロフィール>
1967年 大阪教育大学を卒業、小学校の教師として勤務。
1981年 女児を出産。出産時のトラブルで脳が損傷し、脳性麻痺と診断される。娘の介護のために教師を辞職。
1988年 娘の名前を付けた小冊子「あまね通信」を夫と共に発行。その通信の挿絵として、娘を描いたペン画や銅版画を掲載。
1996-2002年 朝日カルチャーセンターの銅版画コースに参加。
2000年 娘は19歳で他界。その後は銅版画家として日本各地をはじめパリや上海で多数の展覧会を開催。
<著書>「寝たきり少女の声(喘鳴)が聞こえる」自然食通信社
「天音」画文集 自然食通信社
「イノチの天音」ジャパンマシニスト社
「画集」自費出版